1.パラベン (パラオキシ安息香酸エステル)
1)用途:
あらゆるスキンケア用品の防腐剤
パラベンは、1980年代に行われた大規模なスクリーニングにより安全性が評価されて以来、安全性が高く汎用的に使える保存料としてあらゆるスキンケア用品に配合されてきました。
2)懸念:
近年、パラベンの安全性に関する研究が見直されてきています。従来のパッチテスト法などに拠らない分子生物学的な根拠から、パラベンの長期的な危険性について警鐘を鳴らす内容の研究結果が少しずつ発表され始めているのです。
例えば2008年になって、紫外線により酸化されたパラベンが皮膚エステラーゼにより代謝されると、皮膚への発がん性が疑われるプロトカテキュ酸が生成されることが示されました*1。他にも、乳がん組織より未代謝のパラベンが検出された例があったり*2*3、パラベンがわずかながらエストロゲン様の活性(環境ホルモン性)を持つことが明らかになったりしています*4。
このように、パラベンの安全性に関する研究はいまだ決着していませんので、ラブピーとしては楽観視せずにセーフサイドに立つべきではないかと考えています。
■配合成分例
メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルパラベン
■参考文献
*1)Okamoto Y, Hayashi T, Matsunami S, Ueda K, Kojima N (Aug 2008). Combined activation of methyl paraben by light irradiation and esterase metabolism toward oxidative DNA damage. Chem Res Toxicol. 2008 Aug;21(8):1594-9
*2)Harvey PW, Everett DJ. "Significance of the detection of esters of p-hydroxybenzoic acid (parabens) in human breast tumours". Journal of Applied Toxicology 2004;24(1):1-4.
*3)Darbre PD, Aljarrah A, Miller WR, Coldham NG, Sauer MJ, Pope GS. Concentrations of parabens in human breast tumours. J Appl Toxicol 2004;24(1):5-13.
*4)Byford JR, Shaw LE, Drew MG, Pope GS, Sauer MJ, Darbre PD. Oestrogenic activity of parabens in MCF7 human breast cancer cells. J Steroid Biochem Mol Biol 2002;80(1):49-60.